子育てが自己責任なのが日本、社会的連帯なのがフランス 〜フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/08/22
友人Yが紹介していた1冊。
同じ先進国にも関わらず、出生率が2.0を越えるフランス。
かたや日本は出生率の低下に苦しんでいます。
その違いはどこにあるのか?
日本は各家庭が子ども一人当たり2000万円ほどを養育費として
考えなくてはならない。ほとんどが学校関連の教育費で消えるわけです。
一方フランスでは、3歳から学校に通うことができ、無償。
フランスのベースにあるのが、子育てをするのは個人の自己責任だけでなく、
「社会的連帯」の中で行っていこうという考え方。
もちろんその分、国民負担率は日本より高い。
しかし、国民への再分配の仕組みはしっかりしており、
最終的な国民の間の所得格差は低い。
(この本によると、日本の相対的な貧困率は先進国内でアメリカに次いで、
2番目に高いと言う・・・)
お金だけでなく、子育て関連の休暇制度、女性の産後復帰、
フルタイム以外の勤務体系の充実などの施策も多い。
フランスのいい点の強調が多い部分を差し引いても、
やはり日本にある閉塞感を感じます。
経済的負担や格差による機会の不平等が生まれ、
子どもの将来を悲観し、子どもを持てないこの日本。
「人間性」が失われている気がします。
すべてがそのまま日本で適用できるわけではないと思う。
「社会的連帯」の中で子育てを行うという思想は
日本人は受け入れるベースはあるのでは・・・。
2009年95冊目