ロジカルシンキングの前に 〜自分の仕事を考える3日間〜 [2010年読書記録]
読書完了日:2010/01/08
この週末に奈良県立図書情報館で開催されている「「自分の仕事」を考える3日間」。西村佳哲氏をファシリテーターに迎えて、「仕事」や「働き方」について話をするトークセッション。参加も考えていたのですが、今回は見送り。その代わりではないですが、昨年の同じイベントに登場した方に対しての西村氏のインタビュー集を読んでみました。
(「自分の仕事をつくる」や「自分をいかして生きる」に通ずるものがある1冊)
インタビューされている方は以下の通り。
・塩見 直紀(半農半X研究所、コンセプトフォーエックス 代表)
・大南 信也(NPOグリーンバレー理事長)
・秋田 光彦(浄土宗大蓮寺・應典院住職)
・藤本 智士(『Re:S』編集長/アートプロデューサー)
・遠山 正道(Soup Stock Tokyo社長/giraffe代表)
・豊嶋 秀樹(graf設立メンバー/アーティスト)
・明川 哲也(作家/AND SUN SUI CHIE・歌う道化師)
※ドリアン助川さん
・河瀨 直美(映画作家)
・山納 洋 (common cafeオーナー)
・石村 由起子(くるみの木主宰)
・鷲田清一(大阪大学教授)
【目的/問題意識】
自分の琴線に響く言葉、表現を見つけること。そして、何か先のアクションにつながるものを見つけ出すこと。
【ポイントメモ】
・いいと感じ、長続きするものを選ぶ (P30)
・情報の共有だけでなく、感覚の共有が大事。
壁を越えることの楽しさや面白さを共有できていること。(P44)
・ナルシズムとは他人を自分の利用価値で捉える心性。
リーダーは他人を利用価値で見ない。(P56)
・不安と絶えず調節をしていく。(P78)
・絶えず調節していくことも考えることの一形態。 (P79)
・オーロラはなぜできるのか?という問にたいして自然現象と
4文字ですませてしまう。処理能力の進化か一種の思考停止か?(P80)
・使命とは命を使うと書く。生まれてきて、自分の命を何に使うのか?
使命が肩書きに近いといい。(P101)
・プリコラージュ。あるもので何かを作り上げていく。
先にミッションありきではなくて、人が集まってそこから
ミッションが生まれる。ミッションありきだと人が部品化してしまう。(P142-144)
・人は「所有」の悩みがでかい。人は生まれたときから全て与えられている。
世界という場所を。(P167)
・所有というのはひとつの誤解。あるのは関係だけ。
ものごとと自分の関係だけ。(P168)
【気づき】
ロジカルな思考は大事だと思う。冷静に分析し、分解し、組立て直すコンサルティングや業務設計なんかは楽しいとも感じる。ただそれ以上に、非ロジカルなモノ、感覚、想いがあるものを求めている自分に気づく。その求めているものが先にあり、それを活かすためにロジカル思考を身につける。この順番が理想のはずが、逆にロジカルだけで今までやってきてしまった気がする。言われたことをいかに効率良くやるかだけになっていた。
そういう思考をする人が増えてきているようにも思う。
また読み返すことになる1冊です。
2010年3冊目