残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 [2010年読書記録]
読書完了日:2010/10/06
いやはや、痛快というか、ばさっりと人間、社会を論じてくれています。
身も蓋もない感じなのが著者流というところでしょう。
下手に「努力すればできる」と煽る本より圧倒的に良い。
良薬なんですが、読む人にとっては劇薬な1冊かも。
自己啓発の流行、能力主義の問題、自分が生まれ育った環境の影響、
遺伝の問題、進化論との関係、コミュニケーション、カルト、自殺率の問題。
それらが絡み合ったこの「残酷な世界」。
なぜこの世界が残酷になってしまったのか?
残酷な世界で「やればできる」とただ闇雲に努力して、結果が出ず
苦しんでいくというスパイラル。
「やってもできない」ことがあることを理解する。
できないことがあるのは悪いことではない。
その上で、
伽藍を捨ててバザールに向かえ!
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!
が著者の主張。内容は是非読んでもらいたい。
狭い考え方の社会、組織で苦しむよりは、
この残酷な世界を楽しく生きていきたい。
そんな想いを強くしてくれる1冊です。
2010年59冊目
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