区切りをおき、変化を起こす 〜仕事は5年でやめなさい。〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/31
年内最後の読書記録。
タリーズコーヒージャパンを立ち上げた松田公太氏の著作。
仕事は5年でやめなさい。
タイトルからして刺激的ですが、なにも5年で会社を辞めろと言っているわけではない。
5年も仕事をすれば、ある程度のことはできるようになる。自分のそれまでの5年間のやり方を変え、考え方を変え、バージョンアップしながら5年単位で成長し、本当の実力をつけていく。
5年を一区切りにして、自分のあり方を見直すわけですね。
これには同感です。自分の今までのキャリアを考えてみても、やはり5年くらいで仕事の仕方、考え方に自然と変化が出てきている。これを意識的に行うようにするわけですね。
5年をマイルストーンと考えると、人生で達成できることが限られていることに気づく(特に著者は50歳越えぐらいでの死を覚悟しているので余計に)。自分の人生まだまだたくさん有るように思いがちだが、決してそんなことはない。
その人生の残り少なさを危機感にして、現場重視の行動につなげる。些細な事だからと適当にせず、きっちりとやっていく。そんな現場重視の姿勢も共感できます。
著者の写真が表紙にバッチリ出ていて、なんか悪趣味な感じだなと思ってしまった1冊ですが、内容は熱い1冊でした。読んでいて爽快感があります。2009年最後の1冊として良い本を読みました。
2009年140冊目
課題解決手法をいつ学ぶべきか? 〜世界一やさしい問題解決の授業〜 [2009年読書記録]
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
- 作者: 渡辺 健介
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 単行本
読書完了日:2009/12/30
この本で紹介されているのは、課題解決のための手法。
・課題解決のためのフロー(現状把握→原因分析→対応策検討→実施)
・ロジックツリー(分解の木と表現されてます)
・課題解決における期日設定の重要性
・仮説思考
小学校から大学までの間で、この本で紹介されている
課題解決手法を体系的に教わったことがあっただろうか?
社会人となって10年の間になんとなく業務や本を読む中で
身につけていったように思う。
(大学でもなんとなく使っていたようには思うけど・・・。
理系の大学とかではどうなんだろうか?)
ポイントは「なんとなく」身についたというところ。
意識してではなく、結果的にある程度身についていたと言うのが
ホントのトコロ。
体系的に学ぶことで、「どうせ〜できない」みたいな思考回路に陥らずに
済む機会も多く出てくるのではないか?
小生意気な子供になってしまう気もするけど、
こういう手法も確実に身につける教育も必要かなと思う。
2009年139冊目
積み上げていくこと 〜走る男になりなさい〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/29
レバレッジシリーズの著者の本田直之氏が初めて手がけた自己啓発系のビジネス小説。
中小出版社でリストラ寸前の新雑誌の創刊準備室に異動となった主人公。
女性ばかりのメンバーの中で成長していく姿が描かれています。
小説なので、ネタバレ的な内容は書きませんが、
著者の最近の興味範囲と思われる
「出版」、「ランニング」、「トライアスロン」、「ハワイ」、
そして「ビジネスを作ること」が盛り込まれています。
キーメッセージはこれかな。
走っていると、毎日毎日、自分の体を使って、コツコツ積み上げていく
喜びがわかるはずです。そして、その先にあるもっと大きい喜びもね。(P198)
「走る」ということに例えていますが、
他のことにも相通じるものがありますね。
2009年138冊目
「自分の土俵」な範囲を意識する 〜僕がワイナリーをつくった理由〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/28
日本に「本物」のワイナリーを作る。
その夢を実現させた著者。
新潟にある「カーブドッチ」がそれである。
「本物」のワイナリー。
大量生産、大量販売のワインではなく、消費者と醸造者が直接つながるワイナリー。
やみくもに畑を広げて、余分に儲けを出そうともしない。
本物のワインを提供するためには、適正な生産量があるとのこと。
「自分の土俵」な範囲内で生産、販売していく。
シンプルにいいものを少量生産し、少量販売する。
過剰な(そして画一的な)サービスはしない。
それをよしとしない人は、そもそもこのワイナリーのお客ではないと。
潔い。そして気持ちイイ仕事っぷり。
こんな仕事をしてみたい。
最近は「本物」ではなく「形だけの」のものがよく目立つ。
この本の中で紹介されている形だけのワイナリー。
現地で作っていますよとアピールしているが、
ワインは基本ブドウが取れるのが年1回のため、生産も年1回が基本。
そして各醸造タンクの大きさも決まっているので、販売量の上限がある。
しかし、それ以上の販売量となっているワイナリーが大半。
つまり、輸入したぶどう果汁を使ったり、ワインそのものを輸入して、
詰め替えているようなところもあるとのこと。
「本物」を見極められ、そして「本物」を提供できるようになりたい。
見せかけのものはいらない。
是非とも行ってみたいワイナリー。
来年訪れてみよう。
2009年137冊目
教えて学ぶ成功法則 ~天使は歩いてやってくる~ [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/25
『成功者』と間違えて訪問してきた女性に対して、
淡い心を抱きながら、一生懸命成功本から学んだことを伝え、
その女性に教えていく。
その女性が活き活きと動き出す。
男性ならではのよこしまな感情を抱きながらも、
最終的には自分も変わっていく。
そんな自己啓発系の小説。
(ネタばれしない程度で。)
自分にとって響いたフレーズをいくつか。
宣言してからやる。◯◯するぞと。P82
評価価値(他人の評価。何を基準するかによってころころ変わる)と本質的価値(普遍的で変わらないもの) P180
批判を分析して役立てる方法。批判した人の資格、根拠を考える。
資格 その分野のことに精通しているか。批判するだけの知識を持っているか。
根拠 意見に理由があるか。直接に見た、聞いた、調べたなど。P184
マイナスの感情が怒り、悲しみ、恐れのどれかを考えて、
何に対しその感情を感じているのかを考えること。
同時に3つの感情を感じている。P106
【参考リンク】
この本の著者の別の小説の読書記録
誰の「成功」? 〜星の商人〜
2009年136冊目
うまい話には裏がある 〜ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/23
『日本タイトルだけ大賞2009』で大賞を受賞したこの作品。
きれいなストーリーに書き換えられているが、本来残酷なグリム童話。
現代にある様々なマネー、資本主義に関する現実を
グリム童話の話になぞらえながら、ブラックユーモアであぶり出しています。
世の中、うまい話がころがっているわけない。
必ずがあるのなら、それは独占し、自分でやるはず。
公開しているのには理由がある。
鵜呑みせずに、自分で考える。
そんな当たり前のことがなぜかマネーに関してはできなくなるパターンが多い。
だからこそ、こういう形での教訓本にもつながるのだろう。
某最近TVでも話題の某女史のことを念頭に書いている部分は
なかなか面白かった。自分も結構信奉している方ですが、
この本に書かれているような一面があると思います。
(悪いことでもないと思うし)
利用できる分は利用するというスタイルでいいと思う。
2009年135冊目
心理学、カウンセリングを本質的に生かすには? 〜心を商品化する社会〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/21
友人Yが紹介しており、気になって読んでみた1冊。
世の中に蔓延しつつある「心のケア」への警鐘をならしています。
著書の問い掛けは、
安易に「心のケア」という言葉で、個人の内面の問題と矮小化しているのでは?
本質的な問題や構造、制度的な課題があるにもかかわらず、そこを見ない。
ということ。
自分が所属するIT業界は、心が病んだという形で休んだり、
やめるという話がよくある。
PJで犠牲者が出なくてよかったねなんていう笑って
話してしまっている場合もあったりする。
しかし、個人の資質や精神面での解決ばかりに目が行き、
本質的な問題であるビジネスの仕方、PJ運営などには
十分な検討がなされていないように思う。
会社としてのリスク対策という形で、
カウンセリングルーム設置などは多くの会社で進んでいるが、
果たして効果があったのかどうか?
ただこの本自体が批判ばかりなのが気になる。
心理学、カウンセリングを有効に利用するためにはどうしたら良いのか?
その方策を知りたい。
決して心理学やカウンセリング自体は意味のないものではないので。
2009年134冊目
社会への貢献を意識する 〜ナガオカケンメイの考え〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/20
デザイナー:ナガオカケンメイ氏のブログの内容をまとめた1冊。
シンプルな言葉で、彼の考え方が示されています。
もっとラディカルな考えが書かれているのかなと思っていたのですが、
至極まっとうというべきか、あるべき姿をきっちり追っているの
印象的でした。
特に「社会」ということを非常に意識されている。
組織の利益も当然必要だが、社会への貢献を考える。
デザインと言うある意味自己満足に陥りかねない領域だから
なおさら意識しているのかもしれない。
仕事をするということとは、「社会のために何かをする」ということ。 だから社会人。
自分が社会においてどこに立っているか。
【参考リンク】
D&DEPARTMENT PROJECT
ナガオカ日記 - D&DEPARTMENT PROJECT
2009年133冊目
写真の持つ力 〜COURRiER Japon 2010年 1月号〜 [2009年読書記録]
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 1月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/10
- メディア: 雑誌
読書完了日:2009/12/19
R+から献本を頂きました。
ベルリンの壁崩壊から20年。
現在のベルリンに迫ったのがメイン特集。
国内の狭い視点ではなく、国際的な視点で物事見れる雑誌は
やはり頭への刺激が違います。
しかし自分にとっての衝撃的だったのは、
巻頭の「2009年を写真で振り返るCOURRiER VISION 2009」。
写真から溢れ出るエネルギーに圧倒されます。
特に自分にとって衝撃的だったのが、次の2枚。
・アホウドリの雛の死骸
親鳥が間違えて雛に何を与えてしまっているか。
ぜひ見て、考えてみてください。
・オバマ大統領の就任式
ワシントンに400万人もの人が・・・。
ここまでの人が動く事の意義。
日本人にはないパワーをやはり感じてしまう。
全体的に写真の力をものすごく感じます。
こんな写真撮ってみたいですね。
2009年132冊目
会議を自分事にする手法 ~ワールド・カフェをやろう~ [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/13
ワールド・カフェ?
新しいスタイルのカフェ?旅行関係?という疑問から読んでみた1冊。
カフェは、様々な地域で創造的な考え方や価値創出の場として、
機能してきた歴史がある(たとえばヨーロッパ)。
カフェという場所を通して、時間時には空間を越えて、
やり取りができる場になってきた。
そのカフェを擬似的に作るのがワールド・カフェという手法。
広義の会議手法にあたるかな?
ただ意思決定手法というよりは、全員参加を促し、
各自の行動に結びつけ行くに近い。
「自分事」にしていく感じでしょうか。
数人のテーブルをいくつかつくり、ある肯定的な質問に対して、議論していく。
各テーブルのメンバーは一人を残して、他のテーブルに旅し、
内容を共有し、他のテーブルの内容を把握し、議論する。
最終的には最初のテーブルに戻り、旅したテーブルでの内容をシェアしていく。
あたかも全員と話したような感覚になり、一体感が生まれ、コミットが高まるという。
どこかで試す機会があれば、チャレンジしてみよう。
プロジェクトの初期、立ち上げ段階なんかでは有効かもしれない。
どう質問を作るかがカギになりそう。
2009年131冊目