日本をどうみるか? 〜希望を捨てる勇気〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/07
今の日本の状況をどう捉えるか?
この構造的な問題の原因をどうみるか?
日本のようにある程度経済成長を達成してしまった国が
今までのように成長し続けるのは無理。
その中でどういう戦略をとるのか?
著者なりの主張が詰まっています。
ただ悲観的な面が多く、少々違和感を感じる。
ただ下記の点は納得。
日本の今までの長所。すり合わせ文化。
自分も重要だと思うが、今のモジュール化、パッケージ化の流れを
考えると不要になってくる。
自分のやり方も見直さないと。
そのモジュールを使って何ができるか?
あるいは有効利用して、他の部分で優位性をだすのか?
2009年130冊目
自分を棚上げしない 〜土から平和へ〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/05
このエントリーで紹介した半農半X関連の本。
「土」とともに暮らす人々の言葉が綴られています。
土に触れる機会は本当に少ない。
旅行で出かけたぐらいしか土の大地を踏みしめる機会がない。
先日聞いた話で、病気で体調悪い知人が、
みかん狩りに行き、土に触れたことでかなり元気になったらしい。
この本の中で、著者の塩見氏が書いていた
自分を棚上げした思想は終わった。自分を棚上げしない。
という言葉。重要。
自分を棚上げして、批判や理想を説く思想、コンセプトはいらない。
実践につなげてこその、思想。
「土」のある生活も実践しないとただの空論にすぎない。
自分も批評家になってしまうことが多い。
肝に銘じておこう。
2009年129冊目
自炊と外食どちらがお得ではなく、使い分け 〜食費革命―さらば、「節約主義」〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/12/03
特価品を目指してスーパーを駆け回る。
自炊、弁当で食事を全て済ます。
そんなスーパー家事をこなす人の特集なんかがたまにされてたりします。
しかし、それが本当に節約になっているのか?
時間の浪費、光熱費の無駄などが発生していないか?
場合によっては、外食の方が光熱費、材料費含めると
メリットがあることも。
使い分けが重要。調理済商品などもうまく利用する。
(本の中でも「とんかつ」を例にあげています。)
その上で著者が食費の「効率化」として掲げているのは、
・食材メモを持ち、自炊できるかを決定する
・食材調達ポイント:
(1)高カロリー・高栄養
(2)まとめ買い
(3)交渉術
・保存術、リメイク術
ネットで肉などが卸値で買えるところがあるなんてことも
初めて知りました。冷凍保存前提で送料の考慮が必要ですが、
家族が増えた場合や、バーベキューなどイベント毎にも便利ですね。
たとえば、ミートセンター ニクル楽天市場店。
こういう節約術などは目的をしっかりもってやらないと
その技術を磨くことが目的化してしまうケースが
多いので注意しないといけない。
2009年128冊目
無料でのビジネスの形 〜フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/11/27
ネットを中心に広がる「フリー(無料)」な各種サービス、製品。
Googleなんかが典型ですね。
そのフリーなものからいかにお金が生まれていくか?
そこに着目し、新しい経済の形が提示されています。
フリーと言っても、いろんなパターンがある。
(1)直接的内部相互補助
無料提供し、他のものの購入を促し、お金をいただく
(2)三者間市場
要は、広告モデル。
(3)フリーミアム
有料と無料のバージョンがある。スカイプ、オンラインゲームなど。
有料のプレミアムバージョンの利用者がわずかでも
そこで十分な収益を上げる。
(4)非貨幣市場
お金ではなく、人気・評判などを得ている。
デジタルでのコピーなど、限界費用が限りなくゼロに近づき、
無料での配布への障害はなくなりつつある。
その中でフリーをうまく使い、人気・評判を得つつ、
プレミアム部分でお金に結果としてつなげる。
そんなビジネスモデルがいろんなところで
必要になってきているわけです。
2009年127冊目
じょうずに考えるためのヒント 〜はじめて考えるときのように〜 [2009年読書記録]
はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)
- 作者: 野矢 茂樹
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/08
- メディア: 文庫
読書完了日:2009/11/14
どこで紹介されていたのかは忘れてしまったが、
本当に久々に「哲学」系の本を読みました。
大学のときには読んだ記憶があるので、それ以来かも。
とは言っても、がっつり哲学書ではなく、
途中挿絵が入るなどやわらかい雰囲気。
「考える」っていったいに何をすることなのか?
「うーん」とうなることが考えることとは言えない。
哲学書の読書記録をまとめるのは難しい。
巻末にあるじょうずに考えるためのヒントがいいなあとおもったの
抜き出します。
・問題そのものを問う
何が問われているのか?そしてまた、なぜそれが問題になるのか。
・論理を有効に使う
論理を展開しているつもりでも、それにだまされる(場合がある)。
・言葉を鍛える
いろんな可能性を試せる。新しい言葉を手に入れたなら、
それで新しい可能性が開ける。
・頭の外へ
よく観察し、実際に作業すること。頭の中で考えられるように
なるのはその後。
・話し合う
考えるということは一人でやることではない。
2009年126冊目
仮想人物を具体的に設定する ~【再読】コンセプトライフ~ [2009年読書記録]
読書完了日:2009/11/11
以前読んでいますが、再読です。
社内の改善的なことを、今少し行っている。
その中で、検討ポイントを見つけるために、
仮想の人物を設定して、ストーリー構築をしようとしている。
その中で思い出したのが、この1冊。
自分がターゲットとする人物。
これをどう具体化できるか?
著者の文章を読んでいて感じるのは、その言葉から、
具体的な「絵」がイメージできるということ。
決して小難しい言葉を使うのではなく、
日常の中での雰囲気をしっかり切り取り、
その人をあらわしている。
その日常に+α(求めているポイント)を入れることで、
相手に「絵」を想起させる。
そんなプランニングをしていきたい。
2009年125冊目
時間術を極めていくと 〜TIME×YEN 時間術〜 [2009年読書記録]
TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則
- 作者: 長野慶太
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2009/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
読書完了日:2009/11/09
生きるとは、死に向って時間の貯蓄を取り崩していくこと
最初からがつんと強烈なメッセージ。
人生は一度しかない。その死を意識しての時間術。
読み始めたとき、
こういう感じのビジネス書は受け付けなくなっている自分に気づく。
ガツガツしていて、人間性が希薄な感じがした。
やめようかと思ったが、TIPSだけは参考になるかと思って、読み続けた。
もちろん時間術は参考になった。
しかし、ポイントはそこではなかった。
時間術を極めている著者が感じる極めた後に感じること。
・効率化の中で、モチベーションというものを疎外していく
・極めれば極めるほど、自分がぎすぎすした人間になっていく
・短期的な視野ばかりで判断するようになっていく
つまり、人間性の欠如、生活の中での彩りの欠如という
落とし穴が待っている。時間術は諸刃の剣なのである。
だから時間術は生き方であると著者は説く。
上記の落とし穴をさけつつ、中長期的な視点で
人生(=時間)を有意義に使う。
思いがけず、熱い1冊でした。
2009年124冊目
住居が家族にもたらすもの 〜「新しい郊外」の家〜 [2009年読書記録]
「新しい郊外」の家 (RELAX REAL ESTATE LIBRARY)
- 作者: 馬場正尊
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2009/01/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
読書完了日:2009/11/08
東京R不動産のディレクターの方が著者。
都心の住居とは別に、郊外にも家を建て、2拠点居住の生活をする。
この本やこちらの本でも紹介されていた話だが、
実際に苦労の末、房総(一宮)にリアルに郊外の家を建ててしまった著者。
そこに至る経緯をかなりプライベートな面も含めて書かれています。
ただそのプライベートな出来事がこの房総の家を生んでいるのです。
家族関係は、常に各々が特殊だ。
それを包む住居のプランも決して一般解はない。
それにも関わらず、今提供される住宅はあまりテンプレート化しすぎている。
住居プランが自分の生活に合わなくなってくると感じる違和感。
これは現在の自分の賃貸マンションでも感じていること。
それを考えると別の賃貸マンションに引っ越したり、既製品の家を
購入することにはものすごい怖さがある。
自分たちなりのプランで住居を作るなり、
2拠点生活をし、常に生活の中に「変化」を与えていくのか。
自分らにはそれが合っているような気がする。
もちろんコストの問題はあり、現実解を見つけながらの
動きにはなると思うのだけど。
(その際にはこの本に書かれていることは参考になりますね)
ちなみに、著者の房総の住まいは、房総一宮。
自由大学界隈でもよく話の上がっています。
一度訪れてどんなところなのか見てみたい。
この本の著者と編集者の対談も参考になります。
「新しい郊外」の家-出版記念対談(1) - 房総R不動産
2009年123冊目
誰でもどこでもメディア 〜新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に〜 [2009年読書記録]
読書完了日:2009/11/07
「誰でもどこでもメディア環境」
この本で言い表されていることを一言でまとめるとこうなります。
日本で今のところいう「出版」というのは、
「取次制度依拠業界」にしか過ぎない。
しかし現在は様々なツール類(ブログとか)がコモディティ化して、
誰でもどこでもメディアが持てる状況に。
(内容はまずいったん置いておくとして)
ツール類へのアクセスが難しく、そのツールが使えることで
「プロ」になることができた時代は終わっている。
その結果なのか、新聞の不調や雑誌の休刊も目立ちますしね。
これはいろんな業界で言えることですね。
ある意味この個人ブログも一種のメディアなわけです。
どこまでの価値を持ち、影響力があるのかは分からない。
ただ個人としてメディアを持ち、発信し続けることは必要だと思っている。
(自分の記録としての位置付けももちろんありますが)
ブランド・ブログ・マーケティングの鍵を握るのは「個人的なこと」であること。
「個の声を届かせる」ことが必要になってくるわけだ。
一般的なことを書いてもそこに価値はない。
自分の「個」を出せるメディアにしていくことが必要になるわけです。
2009年122冊目
トリプルボトムライン ~ソーシャルビジネス入門 「社会起業で稼ぐ」新しい働き方のルール~ [2009年読書記録]
ソーシャルビジネス入門 「社会起業で稼ぐ」新しい働き方のルール (The Social Venture Network Series)
- 作者: ベン・コーエン
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
読書完了日:2009/11/06
利益追求だけを会社維持のためのボトムラインとするのではなく、
「ヒト/地球/利益」というトリプルボトムラインを意識したビジネス。
日本で社会起業というとどうしてもボランティア的な要素が強くなってしまう。
そうではなく、あくまで利益追求しながらも、
それ以外の求める価値観の実現についても同様にボトムラインとしていく。
訳本のせいか、少々読みづらいのが難点。
2009年121冊目