三低主義 [2010年読書記録]
読書完了日:2010/10/04
あまり建築というものに強い興味を持っている方ではなかったが、今回自宅をリノベーションをしたことにより、建築というものにだいぶ興味が出てきている。「三高」的な要素が強い建築で生まれつつある「三低」主義の流れに興味を持ち、読んでみました。
【ポイントメモ】
・三低
低リスク・低依存・低姿勢
→建築では、低層・低姿勢・低炭素・(低コスト)
・計画するということ自体が近代的。
ゼロからスタートして、10年、20年後に何をつくるかを計画する。
目標達成型の価値観。目的に合う最適な手段を選ぶという行動原理。
(インストゥルメンタルな行動)
一方でコンサマトリーな行動。
楽しいから生きる、楽しいから働く。
その人と一緒にいると楽しいから一緒にいる。
小さなことの積み重ねから生まれる。
・都市のイオン化
・ヴィレッジホームズ
http://www.eco-online.org/focus/greenbuild/20100127151.php
・日本の伝統家屋も、お膳で食べるとか、モノに機能があって、
部屋にはあまり意味が無い。
物を移動させることで小さくても済んだ
・建築か、革命かである。革命は避けられる。(コルビジェの言葉)
革命への恐怖から、住宅ローンで樹民を保守化させ、政治を安定化させる。
・大学は町に寄生すべき。
建築が目的になってしまっている郊外の大学ではダメ
【気づき】
自分で家を持ったり、車を持ったりする、いわゆる「私有」が定着してきたのは、まだこの100年ぐらいに過ぎないんですよね。それゆえに、「三高」的な感じで、より高みを目指すスタイルが一見定着してきたように見えていたのがバブルまで。
しかし、その後の様々な破綻を通してみえてきたものは何か?
「三高」ではなく、自分が一緒にいて、気持ちのいい場所を探す。
ポイントメモで書いたコンサマトリーな行動ですね。
それが結果として「三低」につながる。
ちょっと建築の今までの理論とか、流れを知らない自分には理解しがたい
箇所も多々ありましたが、この本の底流に流れる思想には賛成です。
自分はマイホームを手にしたけど、「低」な感じの住まいでやっていきたい。
この本を読んで、行ってみたくなった建築。
・清家清自邸
・ルドルフ・シンドラー自邸
・阿佐ヶ谷住宅
あとこの本の中で紹介されていたのがこちら。
面白そう。読みます。
2010年58冊目