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電子書籍だけでなく本全体の将来像を描く 〜電子書籍の衝撃〜 [2010年読書記録]


電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

  • 作者: 佐々木 俊尚
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/04/15
  • メディア: 新書


読書完了日:2010/04/23

【きっかけ】
電子書籍(iPhoneでも読める)、しかも購入時はお手軽な値段で買えたので、iPhoneで読んでみました。予想以上に熱い内容でした。

【ポイントメモ】
・音楽のように本も「アンビエント化」していく。
  →どこにでも本が「遍在」し、新旧、誰が書いたかを問わず、
   フラット化していく
・アンビエント化するためのプラットフォームができつつある
  →AmazonのKindle、iPadのBookStore、Googleのブック検索
・誰でも書き手になれる(セルフパブリッシング)
  →出版社は書き手と360度契約、そしてスモールビジネス化
・記号消費の終焉
・若い人が活字離れしていない。逆に増えている。
・問題なのは流通構造。取次体制。
  →出版社から取次に卸す際に委託なのに、
   いったん委託分すべてお金をもらっている。
   返品があった場合、さらに本を卸して、返品分を
   相殺してもらうという構造。
   完全な自転車操業。
・取次もデータ配本で、本の価値を判断できなくなっている。
・コンテンツ重視からコンテキスト重視へのシフト
・往来堂書店、松丸本舗
  →本棚というコンテキストに沿って本を並べている
  →非常に手間とコストがかかる
・ますモデルは終演し、マイクロインフルエンサーが重要に。
  →ソーシャルメディアの中での、コンテキスト構築がポイントに。

【気づき】
最初は紙媒体の本が衰退し、iPadとかKindleのような電子ブックの話がメインかなと読み始めたら、そんな表面的なことではなく、本の位置付けが今後どう変わっていくのかを予測したすばらしい1冊でした。音楽業界の動きをなぞっていくことで、出版業界の今後を鋭く予測していますね。

出版業界でもスモールビジネス化、そして360度契約になっていくという話は納得。やはり大規模な組織ではなく、小さくスピーディーに動けて、かつトータルでプロデュースしていく。そういう働き方へのうねりがいろんなところに芽生えてきているのがわかります。

日本のいろいろな業界もどんどんこういう動きになっていて欲しいですね。

2010年34冊目
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